無農薬栽培を実現するために
作物の美味しさと栄養の豊かさ—その鍵を握るのは、実は「炭素の質と量」なのです。
私たちが取り入れているのは、「吉良農法」という栽培方法。この農法のもとになるのは、株式会社吉良商店の創業者・神谷成章さんが考案した、独自の発酵技術を活かした特別な肥料です。
この肥料は、土に栄養を与えるだけではなく、そこに暮らす微生物たちの働きを引き出し、土壌そのものを活性化してくれます。
その結果、作物は無理なく健康に育ち、本来持っている美味しさや栄養をしっかりと蓄えることができるのです。
農薬に頼らず、自然の力を活かしながら、生命力あふれる作物を育てること—それが、私たちの大切にしている農業のカタチです。
超好熱菌使用 活性炭資材「キラエース」
数々のご縁に導かれ、さまざまな手法や資材を試してきました。その中で、私たちが最も大きな手応えを感じたのが、吉良商店の「キラエース」という活性炭資材でした。
作物を健やかに育てるために、本当に必要なものは何なのか—その答えに近づいた瞬間、胸の奥に確かな確信が生まれました。
一般的な炭作りといえば、木を高温で焼き、炭素の密度を高めることで素材のエネルギーを引き出すもの。しかし、キラエースは火を使わずに炭を生み出すという、まるで自然の神秘を形にしたような資材です。その秘密は超好熱菌。驚くべきエネルギーを秘めたこの微生物の働きにより、木材だけでなく、穀物など多様な素材までをも炭に変えてしまいます。

従来の炭作りでは、木質以外の素材は灰になりやすく、炭として利用することができませんでした。しかし、キラエースはその壁を越え、多様なC/N比を持つ素材を総合的に炭化することができます。この幅広い適用力こそが、他の資材とは一線を画す理由なのです。
さらに、粘土質のように水分を抱え込みやすい土壌にも、キラエースは頼もしい力を発揮します。土に加えるだけで、微生物たちが自ら動き出し、バランスを整え、作物が育ちやすい環境へと変えてくれるのです。そして、微生物の活動をさらに活発にしたければ、単純に資材の量を増やすだけ。そんなシンプルな使い方ができるのも、私たちにとって大きな魅力でした。
土と微生物が響き合い、作物が本来の力をのびのびと発揮する—キラエースとの出会いは、私たちの農業に新たな可能性をもたらしてくれました。
葉面散布「若葉の里2号」

さらに、吉良商店には「若葉の里2号」という、まるで生命の息吹を感じさせるような特別な活性炭溶液があります。この溶液には、さまざまな微生物が配合されており、土の奥深くまでじんわりと活力を届ける力を持っています。
野菜作りが盛んな土地には、ある共通点があります。それは、水はけがよく、土の中にたっぷりの酸素が含まれていること。この環境こそが微生物の働きを助け、根をのびのびと育て、作物の健やかな成長につながります。けれど、粘土質の土壌ではそのバランスが崩れやすく、作物が持つ本来の力を十分に発揮できないこともあります。
そんなときに助けとなるのが「若葉の里2号」です。この炭素溶液を葉面散布として作物に吹きかけることで、通常は光合成でしか作り出せない炭水化物をぐっと増やすことができます。作物が内側にたくさんのエネルギーを蓄えることで、根はより力強く張り巡らされ、根酸の分泌も促されます。まるで根そのものが土を耕しているかのように、土の中に酸素がしっかり行き渡り、微生物が活発に働く環境が整っていきます。
こうして、かつては難しいとされていた粘土質の土壌も、ミネラルや栄養をたっぷり含んだ豊かな大地へと生まれ変わるのです。
キラエースとの出会いが私たちの土を変え、「若葉の里2号」がその力をさらに引き出してくれました。
土はただの土ではなく、そこに生きるたくさんの命とともに、変わり、育まれていく—そのことを、私たちは日々実感しています。