vol.2 夫、農業を志す

農業が尊い仕事だから、ではなく…

「農業修行に出ようと思う」夫(当時は結婚前だったので正式には彼)が言い出したのは2011年の1月。

「何で?」「今じゃなくてもいいでしょ」「考え直したら?」

小さいながらも、東京の渋谷でデザイン会社をやっていた彼。
小さいながらも経営も順調にいっていたため、話した人全員から、そう言われたそう。

「いいやん!いい仕事やん!」
そう言った人はたった一人。
私だけ。

「農業は尊い仕事、日本の未来を支える仕事だわ!」

目をキラキラさせながら、そう思ったからではなく…
当時、私はIT系のWEBライターをしていた。

まだiPhoneがSoftbankからしか発売されていない時代。
スマホを持っている人は
「わー最先端だ!かっこいい!見せてー」
と人が集まっていた。

今では考えられないが、まだガラケーが主流だった時代。
もっとスマホを身近に!と
スマホの使い方を紹介するサイトで文章を書いていた。

日々スマホをさわり、スマホの可能性を文章にする。

これまでパソコンがないとできなかったこと
それ以上のことが、手の中でできるよ!
手のひらから世界が見えるよ!
来てるよ、未来、ドラえもん!
テクノロジーすごい!と興奮する毎日。

「ITと農業、テクノロジーと自然
ひとつの家庭の中に両方あるのも、おもしろいやん!」
と軽~く考えて出た
「いいやん!いい仕事やん!」

そして、もうひとつ。
そこからさかのぼること、半年前。

8月の鳥取県の大自然の中に私はいた。
そこで一か月ほど住み込みで働き、自然と共に生きることの素晴らしさ、自然と対話する大切さを身に染みて感じていた。

が、虫大嫌い、夏の暑さに弱い私。
同時に「私には無理だ」と打ちのめされて東京に戻ってきていた。

だからこそ出た「いいやん!いい仕事やん!」
私にはできへんけど
「いいやん!いい仕事やん!」だった。

この言葉の本当の重みをその後、思い知るのだった。

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