虫が怖い!だけど、農家のヨメ。大丈夫!虫は畑にいるんだから…
「夫(となる人)が農業をやる」と伝えた時一番驚いていたのは、私の両親だ。というのも、私は大の虫嫌い。虫をさわるのはおろか見るのも無理。
鳥取の古民家で住み込みで働くことになり、そこでゴキブリ(以下G 名前を書くのもおぞましいので)が発生した時は大パニック。
たったひとり、恐怖のどん底で私がとった行動は「コンタクトを外す」。
文字通りGを視界から消し去り、翌日には別の人の家に転がり込んだのだった。
そんな私、農家のヨメになる。
「でも、虫は畑にいるんだからさ」
そう軽く考えていた私。
夫が初収穫したみさきキャベツを、わが子の誕生のように「パシャパシャ」無邪気に撮影し、キッチンに置いた翌朝。
シンクの中を歩く大量のしゃくとり虫に、卒倒しそうになるのであった。
キャベツは外から見たら虫がいなくても、葉の中にいる場合があるのです。
一方夫は、農業をする前は東京在中、渋谷で小さなグラフィックデザインの事務所を経営していた。
「渋谷でデザイン会社をやっている社長」
初めて会った時、彼はまわりにそう呼ばれていた。
白い革のハンチング帽をかぶり、ポロシャツに鮮やかなグリーンのカラーパンツ。
ポケットには当時まだ珍しかったiPhoneが入っていた彼はまさに、渋谷でデザイン会社をやっている社長。
「あまり近寄ってはいけない」
本能的にそう感じた彼と、話すことになったのは
「彼もあなたと同じ神戸出身らしいよ」
という一言だった。
私と彼が出会ったのは、当時流行っていたmixiで募集していた「東京に住んでいる関西人集まれ」という飲み会での席。
私も神戸から東京に出て3年が過ぎ、ちょっと関西弁が恋しくなっていたので、神戸出身の友達と一緒に「おもしろそう」と参加したのだった。
ところが行ってみてびっくり。
「実は岡山なんです」「和歌山です」
関西ってそんな範囲広かったっけ?と思うぐらい神戸、大阪の人が少なく、せっかくだから同郷の人に会いたいと
「神戸やーい」と探していたら、一人だけいたのが彼だった。
彼の前でいざ「神戸出身です」と言ったものの、私の生まれ育ったのは港町神戸とはほど遠いところ。
「でも神戸の端っこでして~」と思わず、本音がぽろり。
すると向こうも「いや、俺も神戸の端やから」
「いや、私の方が端でして~」とお互い謙遜しているうちに、ん?なんか似てるような場所やなーと話していくと
なんと!!
同じ小学校出身、学年ひとつ違い、しかも中学時は同じ部活出身だということが判明。
多くの人がひしめく東京で、同郷の人に会うのですら珍しい(ここで神戸出身の人探すのも大変だった)ことなのに。
ちなみに、どんなに記憶をたどっても、今でもお互い学生時代の存在を全く知らず。
後に中学の卒業アルバムを見て、互いの地味さに納得。
それから一度も卒業アルバムは開いていない。
この出会いをきっかけに、翌年には結婚するのだった。
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